2声のインヴェンション 第14番 変ロ長調 BWV 785は、J.S.バッハが1720年頃に作曲した15曲の2声インヴェンション集の一曲です。曲集の終盤に位置するこの作品は、温かく歌うような性格と叙情的な美しさが特徴で、優雅で大きな弧を描くフレーズが穏やかに流れる伴奏の上に展開されます。
変ロ長調のまろやかで豊かな響きを活かした、幅広くカンタービレな主題で始まります。バッハはこの素材を、音と音の滑らかなレガートの接続と声楽的な旋律のフレージングを重視して扱っています。2つの声部は会話のような自然さで対話し、旋律素材を自然でありながら巧みに構成された形で受け渡していきます。
鍵盤楽器で歌うような音色を生み出し、レガート奏法の技術を養う上で非常に価値のある作品です。両声部の独立性を保ちながら、長く流れるようなフレーズを形作る能力が求められ、これは表現豊かな鍵盤演奏の核心にある技術です。2声対位法という規律ある枠組みの中で、深い美しさと繊細さを持つ音楽を創造できるバッハの力量が示された一曲です。
作曲年
1720
カタログ番号
BWV 785
出典
パブリックドメイン