2声のインヴェンション 第15番 ロ短調 BWV 786は、J.S.バッハが1720年頃に作曲した15曲の2声インヴェンション集の最終曲です。曲集の締めくくりにふさわしく、ロ短調という遠隔調の深い情感の中で、技術的な洗練と深遠な音楽的表現を兼ね備えた作品です。
広い音程と表情豊かな跳躍を特徴とする主題が、重厚で内省的な雰囲気を即座に確立します。この作品におけるバッハの対位法書法は最も洗練された水準に達しており、拡大、縮小、ストレットなど模倣技法の全領域を駆使した精巧な対話が2声の間で繰り広げられます。和声語法も特に豊かで、意表を突く転調が作品の感情的な深みを一層高めています。
曲集の集大成として、先行する14曲を通じて培われた技術的・音楽的なスキルの多くを統合する作品です。レガートのフレージング、正確な指さばき、繊細なダイナミクスの陰影、そして2つの独立した音楽線を同時に描き出す能力が要求されます。2声対位法という一見控えめな枠組みの中に、驚くべき美しさと知的な深みを持つ音楽を創造したバッハの天才を証明する最終曲です。
作曲年
1720
カタログ番号
BWV 786
出典
パブリックドメイン