メヌエットは、モーリス・ラヴェルが1917年に作曲したピアノ組曲『クープランの墓』の第5曲です。表題はバロック時代のフランスの作曲家フランソワ・クープランへのオマージュを意味すると同時に、第一次世界大戦で亡くなった友人たちへの追悼も込められています。1919年にラヴェル自身が管弦楽版を編曲しましたが、このメヌエットはフーガとともにピアノ版のみにとどまった2曲のうちの一つです。バロックのメヌエットの様式に倣った優雅な舞曲的性格を持ちながら、ラヴェル独自の繊細な装飾音・モーダルな和声・印象主義的な音色が随所に光ります。中間部には「ミュゼット」と呼ばれる素朴で牧歌的なセクションがあり、再び冒頭の優美な主題へと回帰する構成になっています。
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