フーガ第3番 嬰ハ長調 BWV 848は、J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》第1巻(1722年頃完成)に収められた、嬰ハ長調のプレリュードと対をなす3声のフーガです。喜びに満ちた舞曲風の主題が、先行するプレリュードの技巧的な華やかさと美しい対比を見せる、対位法の職人技が光る作品です。
フーガ主題はリズムの活力と旋律的な魅力に富み、軽やかな揺れが全曲に弾むような快活な性格を与えています。バッハは転回、拡大、ストレットなどの技法を、自然で力みのない達人の技で駆使しながら、巧みに構成された提示と挿入句を通じてこの素材を展開しています。3つの声部が豊かな音の織物を紡ぎ、全曲を通じて絶えることのない音楽的興味を保っています。
3声対位法の優れた学習素材であり、全体のリズム的なエネルギーと音楽的な流れを維持しながら、各声部を明確に描き分ける能力が求められます。シャープ7つの調性で3つの独立した声部を管理するという課題は、高度な鍵盤技術とフーガ技法の深い理解を養う上で、要求の高い、しかし非常にやりがいのある作品です。
作曲年
1722
カタログ番号
BWV 848
出典
パブリックドメイン